浅草寺修理工事現場の見学

このたび、浅草寺と文化財建造物保存技術協会によるご厚意で、重要文化財である浅草寺伝法院における客殿・玄関・書院等の保存修理工事現場の見学の機会をいただきました。修理工事は2016年に開始され、2028年までの10年以上にもおよぶ期間で予定されており、近世と近代建造物計5棟の修理が進められています。

 

工事が進められている各建物において、伝統的な木造架構を間近に見学させていただいた上で、修復工事の基本的な方針に関する考え方や、工事における当初材の保存、新材の導入、基礎・軸部・壁体等への構造補強の技術的方法に関して詳細に解説をいただきました。また、修理対象は名勝と建造物の重文指定が重複しており、それぞれの価値を踏まえてどのように修復設計をしているのか、解体工事の結果に基づいて全解体や部分解体等の選択肢からどのように適切な設計を導くのか、といった考え方についてもご教示いただきました。

 

 

客殿や玄関、台所等は同時期に建造された複数の建物でありながらも、解体工事によって各建物では異なる架構や造作が認められ、修理工事は往時の建築家や大工の思想や試みを解読し、またこうした痕跡を後世に遺していくための最善策を創造する挑戦であることをお話しいただきました。こうした歴史との対話が修復工事における醍醐味であることなど、修理現場における印象深いお話と共に、その魅力に触れる貴重な機会となりました。

 

こうした貴重な機会を設けていただきましたこと、浅草寺と文化財建造物保存技術協会には記して感謝いたします。