2026年1月15日〜20日にかけて、博士後期課程2年生の陳威諭がネパール・ポカラにて開催された CIPA Heritage School 2026 に参加しました。会期中は、文化遺産を対象とした3D計測・モデリングの基礎から現場実習までを集中的に学び、あわせて遺産の保全に関する国際的な議論に触れる機会となりました。本稿は,陳威諭による参加プログラムの報告です。
ベトナム政府が準備を進めている「オケオ遺跡群(Óc Eo–Ba Thê Archaeological Complex)」の世界遺産申請に関連して,現地視察と専門的助言を行うミッションに参加しました。
オケオ遺跡群は,現在のベトナム南部、メコンデルタ地帯に広がる主に1~7世紀ごろに栄えた扶南の中心的な都市となる考古遺跡群です。私自身の古代カンボジアにおける研究とも密接な関係があり,長年の念願がかなって現地を訪れる機会になりました。
この夏、モンゴルで行われた文化遺産調査ミッションに参加しました。広大な大地に点在する歴史的遺産をめぐり、約2週間にわたる調査と交流の旅を体験しました。
この記事は2025年1月25日~27日にかけてNan地方政府の支援の下、シラパコン大学Kreangkrai Kirdsiri教授の下に実施されたNan地域の遺産訪問のプログラムの経験に基づいて記したものです。
Nanにおける世界遺産申請の潜在的な可能性を検討することがこのプログラムの目的であり、3日間でNan地方における代表的な仏教寺院やストゥーパ、歴史都市の城壁や水路、旧王宮、博物館、そして先史時代の打製石器製作サイト(Phu Song, 15000 years old)、歴史時代の土器や陶器づくりの窯跡(Bo Suak, 14-15c)、さらにはBo Klua地方の伝統的な製塩集落を訪れました。
現在でも継承されている製塩の伝統を中心として、Nan地方における多数の文化資源を包括的に関連付けて、一つのストーリーを形成する試みを記しました。
歴史と現代の多様な交錯
南イタリアの歴史都市を巡る調査記
青い海と険しい崖に抱かれたアマルフィ海岸、白亜の家々が並ぶプーリアの村々、そして石造りの洞窟都市マテーラ。イタリア南部には、古代から続く歴史の層が現代と交錯する魅力的な街が点在しています。
今回の調査では、ナポリを起点に、ピアニッロ、ポジターノ、アマルフィ、ラヴェッロ、ヴィエートリ・スル・マーレ、マテーラ、アルベロベッロ、ロコトロンド、グロットレを訪れました。さらに、ギリシャ・ローマ時代の遺跡であるペストゥムやポンペイにも足を運び、これらの都市がどのように時間とともに変遷し、現代の生活や観光と交わっているのかを探りました。
歴史と現代が織りなす多様な風景を、現地での観察を交えながらご紹介します。
7月20日から29日にかけて、中国四川省の成都市と邛崃市にて建築遺産演習を実施しました。
各所で開催されたシンポジウムと交流会、勉強会にも参加し、中国と日本の文化遺産の近年の研究や取り組みについて広く共有することができました。
また、平楽古鎮を中心として歴史地区を訪れ、伝統的建造物や景観の保存と観光開発の実態を観察し、いくつかのテーマに対して調査を行いました。学生グループによるこうした調査成果は、最終日に成都市内で四川省、成都市の関係部局の担当者や関連学会の先生方に発表し、コメントをいただくことができ、実践的な演習になりました。
筑波大学世界遺産学学位プログラムはエジプトのアレキサンドリアに位置するE-JUST(エジプト・日本科学技術大学)のHeritage Studies Programと学術交流を行っています。今回はエジプト人学生の修士論文の審査の機会に現地を訪問し、論文審査に参加するとともに、今後の学術協力についての協議や遺産の現場や博物館等の視察をしました。コプト教の修道院や巡礼路に関連する遺産、カイロのギザとサッカラの遺跡群、カイロの旧市街地とシタデル、オープン間近の大エジプト博物館の保存センターなどを訪れる機会を得ました。
2023年の年末より、ローマからフィレンツェにかけて、トスカーナの歴史的町並みを巡りました。チヴィタ、モンタルチーノ、ピィエンツァ、シエナ、ヴォルテーナー、サンジャミアーノ、ピサを訪れ、生きた歴史的景観と建築と芸術と料理を堪能する旅となりました。
筑波大学世界遺産学学位プログラムは、エジプトのアレキサンドリア近郊に位置するエジプト日本科学技術大学(E-Just)における遺産科学プログラムと連携して教育プログラムを実施しています。近年は、新型コロナウイルスによる渡航制限等があり、オンラインによる合同ゼミを年に2回程度実施していましたが、このたび現地訪問を伴うプログラムを実施することができました。
筑波大学からはエジプト学を専門とする肥後先生と私が今回訪問し、E-Justでのゼミに参加した他、この機会に両校を接続して双方の学生が研究発表を行うオンラインでの合同ゼミを行いました。また、E-Justにおける遺産科学プログラムでは、来年からAcademic MasterとPhDコースを開設するための検討が進められており、新たな枠組みでの協力体制について検討しました。
ベトナムのハノイ北方に位置するYen Tu山系を拠点として、13~14世紀の陳王朝は国教としてTruc Lam仏教を形成しました。ベトナム政府はこの仏教遺産群をユネスコ世界遺産として推薦する準備を進めています。来年2月の推薦書提出を前に、推薦資産の保全管理状況や推薦書の記載内容に関する助言を目的として現地を視察する機会をいただきました。約1週間の期間で、Quang Ninh、Hai Duong、Bac Giang州に位置する構成資産約20か所を巡りました。