2023/12/04
文化財保護の歴史や政策の展望、国内の文化財や世界遺産にまつわる最新の諸問題や試みについて文化財調査官よりご講義いただく「遺産保護行政論」を行いました。
文化財鑑査官をはじめとして、記念物の各類型と世界遺産を担当される計9名の調査官より2日間にわたって対面とオンラインでの講義をしていただきました。今年度からは、文化遺産に関連する教育プログラムを有する国内大学の聴講生も参加できるかたちで実施しました。
2023/12/02
浅草寺と歴史的建造物保存技術協会によるご厚意で、重要文化財である浅草寺伝法院の客殿・玄関・書院等の保存修理工事の現場見学の機会をいただきました。修理工事は2016年に開始され、2028年までの10年以上にもおよぶ期間で予定されており、計5棟の近世、近代建造物の修理が進められています。
2023/11/24
ベトナムのハノイ北方に位置するYen Tu山系を拠点として、13~14世紀の陳王朝は国教としてTruc Lam仏教を形成しました。ベトナム政府はこの仏教遺産群をユネスコ世界遺産として推薦する準備を進めています。来年2月の推薦書提出を前に、推薦資産の保全管理状況や推薦書の記載内容に関する助言を目的として現地を視察する機会をいただきました。約1週間の期間で、Quang Ninh、Hai Duong、Bac Giang州に位置する構成資産約20か所を巡りました。
2023/11/11
国宝三茶室に数えられる如庵と、明治期の建造物を移築展示されている明治村を中川武先生にご案内いただきました。如庵では特に待庵との対比をもって千利休に対して織田有楽斎がこの茶室で試みたこと、また堀口捨巳がここ有楽苑へ移築し複数の茶室や庭園と新たな関係を築いて表現しようとしたこと等について、如庵内の静謐な空間でお話を伺いました。
2023/10/28
研究室のメンバーで茨城県指定文化財である土浦市の矢口家住宅の調査を行いました。伝統的な町並みを残す中條通りの中央に位置する黒塗りの外観に包まれた土蔵造りの建物群は一際目を引く存在です。
調査は2回目になりますが、今回は特に蔵に保管されていた保管品の確認と記録を目的としました。矢口家ご当主のご協力をいただき、酒店として利用されていた明治期以降の看板や販売に関わる様々な道具類、矢口家に伝わる江戸時代からの錦絵や屏風絵等を見せていただき、またそれらの由来や当時利用されていた時の様子について教えていただきました。
2023/10/22
富山県に位置する立山砂防は世界遺産登録を目指した活動を進められています。この度、世界遺産申請について検討するための国際シンポジウムへの参加と登壇者への事前視察の機会があり、構成資産として検討されている各施設の見学の機会を得ました。
2023/10/11
立命館大学の山崎先生が主催されているJICA課題別研修「文化遺産及び地域社会と共生する持続可能な観光開発」の研修プログラムでの講義を行いました。今年もエジプト、チリ、ジョージア、ネパールなど多様な国と地域から若手専門家が集まり、熱心に講義を聞いていただき、また興味深い多くの質問と議論で盛り上がりました。
2023/08/03
カンボジア北西部、タイとの国境にほど近いバンテアイ・チュマール遺跡群を訪れました。来年の乾季より本格的な調査を計画しており、今回は調査内容を検討するために、近年の修復工事や発掘調査の進捗を視察することを目的としました。
2023/07/12
2009年に日本で初めて世界ジオパークに認定されたサイトの1つである洞爺湖有珠山の再審査調査に同行しました。調査員2名はいずれも中国の専門家で、5日間の調査期間でした。
今回は明治以降に複数回の噴火を経験し、その災害からの学びを地域資源とする減災教育の活動紹介することを目的に、主として有珠山に関連する資産を多く巡りました。また、2021年に世界遺産に登録され、このジオパークの文化資産に組み込まれている縄文遺跡群の構成資産、そして無形遺産であるアイヌの伝統文化拠点等を合わせて視察しました。
2023/07/02
四川省の中心地として長い歴史を有する成都市における考古学研究の拠点である成都市考古学研究院を訪問しました。もともとはホテルであった建物を改修して、博物館と研究所としての機能を併せ持つ施設で、開館準備中というところでした。
中国国内で4番目の考古学施設ということで、考古・建築・地理の各調査室の他、金属・木材・土器・繊維・土壌・動物遺体・植物遺体などの保存科学の分析ラボがそれぞれに充実した機材を備えていました。