古代クメール都市でのフィールドワーク
2021年より5年間にわたり実施してきた科研「クメール王朝の都市構造と社会基盤の解明-高精度地形情報を利用した実査より」の最後の現地調査を2026年2~3月にかけて実施しました。サンボー・プレイ・クック遺跡における約1か月の調査の他,大プレア・カーン遺跡群における調査,そして奈良文化財研究所のチームは同時期にアンコール・トム内での調査を実施しました。この5年間で多くの成果と,また新たな謎,そして次に展開すべく課題を把握することができたと思います。本調査期間中に,続く5年間にもさらに研究が継続できる見込みが得られましたので,さらに発展的かつ新たな課題と対象にも取り組んでいきたいと思います。
CIPA Heritage School @カトマンズ
2026年1月15日〜20日にかけて、博士後期課程2年生の陳威諭がネパール・ポカラにて開催された CIPA Heritage School 2026 に参加しました。会期中は、文化遺産を対象とした3D計測・モデリングの基礎から現場実習までを集中的に学び、あわせて遺産の保全に関する国際的な議論に触れる機会となりました。本稿は,陳威諭による参加プログラムの報告です。
ベトナム,オケオ考古遺跡の世界遺産申請
ベトナム政府が準備を進めている「オケオ遺跡群(Óc Eo–Ba Thê Archaeological Complex)」の世界遺産申請に関連して,現地視察と専門的助言を行うミッションに参加しました。 オケオ遺跡群は,現在のベトナム南部、メコンデルタ地帯に広がる主に1~7世紀ごろに栄えた扶南の中心的な都市となる考古遺跡群です。私自身の古代カンボジアにおける研究とも密接な関係があり,長年の念願がかなって現地を訪れる機会になりました。
石見銀山「丸ごと」デジタルミュージアム化 プロジェクト
研究室のメンバーを中心として、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の様々な構成遺産を対象に、遺産を“丸ごと”体験できるデジタルミュージアムを構築するための記録や調査を行いました。 このプロジェクトの目標は、「個々の痕跡」を繋ぎ,石見銀山という銀生産とそれを支えた社会の全体を感じられる仕組みをつくることです。
シンポジウム · 2025/12/18
遺産学の諸側面を考える
この1か月間に,シンポジウムや学会,市民講座や高校での講演など,いろいろなテーマで遺産に関するお話をする機会がありました。文化遺産分野における国際協力や,紛争から復興にかかる課題,世界遺産への申請による地域社会の活性化,遺産の考古学的価値や,修復保存の技術論など,異なるテーマに関連するもので,またお話をする対象も専門家から学生,一般の方々など多様でありました。加えて,大学でも博士後期課程から学部生を対象にした異なる専門的深度での講義があり,遺産学を取り巻く多様な課題や可能性と社会的影響力について考える機会となりました。
ジオパーク · 2025/11/15
三島村鬼界カルデラ ジオパーク
鹿児島県三島村に位置する「三島村・鬼界カルデラジオパーク」における日本ジオパークの再認定審査を担当しました。三島村は、竹島・硫黄島・黒島の3つの有人島と、世界的にも知られる巨大カルデラ「鬼界カルデラ」を含む海域からなる、とてもユニークな地域です。
カンボジアにおける世界遺産申請サイト訪問
カンボジアでは,今年7月に「カンボジアの記憶の場所群 : 弾圧の中心地群から平和と反省の各所まで」 という新たな世界遺産が登録され,これまでに5件の世界遺産が登録されました。今回新たに登録されたクメール・ルージュによる虐殺の記憶とサイトに基づく遺産を除けば,いずれも古代アンコール帝国の歴史的痕跡が遺産の対象です。今後の世界遺産への登録申請として準備が進められているサイトもまた,古代の考古学的サイトが多くを占めています。今回,こうしたサイトの中でも近い将来に申請することが検討されているアンコール・ボレイとコンポン・スヴァイのプレア・カーンを訪れました。
モンゴルの文化遺産をめぐるミッションに参加して
この夏、モンゴルで行われた文化遺産調査ミッションに参加しました。広大な大地に点在する歴史的遺産をめぐり、約2週間にわたる調査と交流の旅を体験しました。
石見銀山での建築遺産演習
世界遺産「石見銀山」にて建築遺産演習を行いました。伝統的な集落である大森銀山地区と温泉津地区において,伝建地区への選定後に個々の建築の修理や修景事業によって町並みがどのように変化してきたか,そして地域を元気にする活性化のためにどのような取り組みが進められているか学びました。また,多様な構成資産が広域に分布する石見銀山のデジタル版サイトミュージアムの提案のために,銀生産にかかる考古学サイトや遺構,そして伝統的な町なみの三次元記録や関連情報の収集に取り組みました。行政担当者や当地の民間企業,建物工事の工務店,宿泊や飲食事業を開始した事業者,そして地域住民など,多くの方々から各所での取り組みをご案内いただきました。最終日には世界遺産センターにて参加学生による発表会を実施し,地域の変化の様相や,地域の魅力を伝え,楽しむためのアイデアについて興味深い提案が示されました。1週間という限られた期間でしたが,充実した学びの機会になりました。
「房総のむら」での実習
千葉県立「房総のむら」にて修理工事の見学と民家の実測調査を行いました。修理工事は茅葺屋根の葺き替え作業真っただ中で,茅葺職人の方々による作業の様子を中心に,構造補強や腐朽部材の対処なども含めて解説していただきました。民家調査は一部に2階もある豪農の大規模民家の復元建物で,実測初体験の学生には大変な作業となりましたが,なんとかカタチになったと思います。千葉県文化財課の方々には大変お世話になりました。

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