2024年11月21日、12月12日、文化遺産論の授業の一部分として、20世紀の建築遺産の保存と活用に関する講演とディスカッションの進行を担当しました。
2024年11月21日:『講演:20世紀中後期建築遺産入門: 保存と活用に関するケーススタディ』
この講義の主な目的は、20世紀中後期の建築遺産の保存と活用の見通しについて、包括的な理解を学生に身につけさせることでした。シドニー・オペラハウス、イソコン・フラッツ、ノイエ・ナショナルギャラリーなど、この時代に建てられた著名な建築物のケーススタディを通じて、学生は理論的な洞察だけでなく、建築物のアイデンティティを維持しながら現代の用途に適応させるための実践的なアプローチも学びました。
その結果、学生たちは現代建築の意義、それを文化遺産として認識することに伴う課題、そして次世代への保存と現在の実用利用のバランスを取ることの必要性について、重要な理解を得ることができました。
2024年12月12日:『グループワークとディスカッションセッション:都城市庁舎は保存すべきか、それとも取り壊すべきか?』
前回の講義で学んだ知識を実践的に応用し、日本のメタボリズム建築の代表例として知られる都城市民会館(菊竹清訓、1966年)をテーマに、グループワークとディスカッションを行いました。この象徴的な建造物の取り壊しまたは保存と改築については、学術界、市民の間、そして市当局の間で激しい議論が交わされてきました。このグループディスカッションとプレゼンテーションの目的は、公聴会をシュミレーションし、学生たちが多様な見解を代表し、体系的な対話を行うことでした。
このグループワークと発表では、学生たちは3つの異なるグループに分かれ、それぞれが市当局、専門家、市民の立場を代表しました。その後の議論では、学生たちは活発な討論を行い、現実的な制約のもとでその建物を保存し活用することが可能であったかどうかを検討しました。さらに、各関係者が犯した可能性のある過ちを特定し、特定の利害関係者がその建物の保存に、より積極的に貢献できた可能性があることを提案しました。このプロセスの集大成として、学生たちは、すべての利害関係者間で合意と妥協を達成することが、モダニズムの建築遺産の保存と活用を成功させるための礎石であると結論づけました。
この2回の講義に積極的に参加してくれた学生たちに心から感謝の意を表したいと思います。また、このような機会を与えてくださり、貴重なご意見やご指導をいただいた下田先生にも感謝申し上げます。
シドロフ・アントン(D3)
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