【都市構造から読み解く歴史】
都市は、その時代の政治、宗教、経済、社会の様相を記録した歴史的痕跡です。本研究室では、東南アジアの歴史都市を対象として、航空レーザー測量(LiDAR)やGISを活用した空間分析を行い、都市構造や土地利用、水利システム、交通網などの復元に取り組んでいます。
中でも、近年の航空レーザー測量は森林に覆われた地域においても微細な地形情報を取得することが可能とし、これまで知られていなかった都市施設や道路網、人工地形を読み解くことができるようになりました。本研究室では、カンボジアを中心とする古代アンコール王朝の都市であるアンコール・トム、サンボー・プレイ・クック、バンテアイ・チュマール,コー・ケー遺跡などを対象に、都市形成や領域支配の実態について研究を進めています。
【建築から社会と技術を読み解く】
本研究室では、建築の様式、平面構成、設計方法、増改築の痕跡、施工技術などの分析を通じて、建物の建設過程や機能、さらには建築を生み出した社会のあり方の解明に取り組んでいます。
日本国内やアジア各国の建築を対象に研究に取り組むメンバーがいますが、中でもクメール帝国の寺院建築については、設計技術や造営技術の分析、建築形式の変遷、建築空間と宗教儀礼との関係などについて継続的に研究を進めています。建築を歴史資料として、王権や宗教、社会構造の変化を復元することを試みています。
【考古学と自然科学による歴史復元】
本研究室では、発掘調査や地下探査による考古学的研究に加え、多様な自然科学的手法を活用して過去の環境や人々の活動の復元を試みています。
発掘調査によって明らかとなる遺構や遺物の情報に加え、花粉分析、珪藻分析、堆積物分析、土壌分析、化学組成分析、年代測定などを組み合わせることで、都市や建築を取り巻く環境の変化や土地利用、人間活動の痕跡を総合的に解明しています。
こうした研究を通じて本研究室では、建築学・考古学・環境科学・地理学などの多様な学問分野を横断しながら、歴史都市の形成過程や社会構造、人々と環境との関係を復元することを目指しています。