研究室のメンバーを中心として、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の様々な構成遺産を対象に、遺産を“丸ごと”体験できるデジタルミュージアムを構築するための記録や調査を行いました。
このプロジェクトの目標は、「個々の痕跡」を繋ぎ,石見銀山という銀生産とそれを支えた社会の全体を感じられる仕組みをつくることです。
世界遺産センターでは、展示遺物や出土遺物のデジタルでの三次元形状記録と,それに関連する調査記録の整理を行いました。
センターの展示品はそれぞれ魅力的な歴史や特徴を持っていますが,なかなか現場では詳細に観察してその背景情報を理解する時間的な余裕がありません。
構築中のデジタル空間内では,展示品を手に取るように眺め,その遺物が語る歴史を学ぶことができるようにしたいと考えています。
石見銀山への来訪者の多くは,半日から1日程度で主要な間歩(坑道)と歴史的な集落(大森地区)を見学しますが,実は石見銀山には多様な歴史的な資産が密集しています。
山中には数百の銀を生産した遺跡が埋もれている他,山城の跡や石造物も多数残されています。
こうした痕跡への気づきが得られるきっかけを,デジタルの仕組みを利用して創りだしたいと考えています。
鉱山と集落,そして銀の積み出し港などを繋ぐ街道では,美しい山並みと海,そして歴史的な痕跡が各所に点在しています。
これらの魅力的な数々のサイトの存在を知ってもらい,足を運んでもらうきっかけにするための,デジタル記録を各所で進めました。
さらに,世界遺産の構成資産の他にも,銀生産に関連する文化・社会,地理・地形,生物・生態など,多様なモノやコトが周囲には散在しています。
今回は石見銀山における銀生産や生活に不可欠な様々な石製品の原料を提供した近くの採石場を訪れましたが,こうした様々な関連する地域資源を合わせて理解していくことで,知の有機的な接続が展開していきます。
石見銀山は、「銀を掘った場所」だけではありません。山、町、道、港、人の暮らしが重なり合ってできた、大きな物語です。
遺産の現場とそこで得られる解説、世界遺産センターの展示、そしてウェブ上の情報発信を組み合わせ、より楽しく・広く・深く遺産の魅力を体感できる仕組みを考える一週間となりました。







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