国内遺産での研究や演習

石見銀山「丸ごと」デジタルミュージアム化 プロジェクト
研究室のメンバーを中心として、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の様々な構成遺産を対象に、遺産を“丸ごと”体験できるデジタルミュージアムを構築するための記録や調査を行いました。 このプロジェクトの目標は、「個々の痕跡」を繋ぎ,石見銀山という銀生産とそれを支えた社会の全体を感じられる仕組みをつくることです。
石見銀山での建築遺産演習
世界遺産「石見銀山」にて建築遺産演習を行いました。伝統的な集落である大森銀山地区と温泉津地区において,伝建地区への選定後に個々の建築の修理や修景事業によって町並みがどのように変化してきたか,そして地域を元気にする活性化のためにどのような取り組みが進められているか学びました。また,多様な構成資産が広域に分布する石見銀山のデジタル版サイトミュージアムの提案のために,銀生産にかかる考古学サイトや遺構,そして伝統的な町なみの三次元記録や関連情報の収集に取り組みました。行政担当者や当地の民間企業,建物工事の工務店,宿泊や飲食事業を開始した事業者,そして地域住民など,多くの方々から各所での取り組みをご案内いただきました。最終日には世界遺産センターにて参加学生による発表会を実施し,地域の変化の様相や,地域の魅力を伝え,楽しむためのアイデアについて興味深い提案が示されました。1週間という限られた期間でしたが,充実した学びの機会になりました。
「房総のむら」での実習
千葉県立「房総のむら」にて修理工事の見学と民家の実測調査を行いました。修理工事は茅葺屋根の葺き替え作業真っただ中で,茅葺職人の方々による作業の様子を中心に,構造補強や腐朽部材の対処なども含めて解説していただきました。民家調査は一部に2階もある豪農の大規模民家の復元建物で,実測初体験の学生には大変な作業となりましたが,なんとかカタチになったと思います。千葉県文化財課の方々には大変お世話になりました。
碓氷製糸場と富岡製糸場の見学
世界遺産学学位プログラムの修士1年生を中心とした学生と共に,碓氷製糸場と富岡製糸場を見学に行きました。碓氷製糸場は現役で稼働している工場であり,ここでは繭の乾燥から製糸までの様々な工程を見学させていただくとともに,現在の繭生産や工場経営の実情について様々な解説をいただきました。富岡製糸場では,通常は公開されていないエリアを含む各所を視察させていただき,また官営時代から民間払い下げ以降の長期にわたる経営やそれに伴う施設や技術の更新の歴史,近年実施された西繭倉庫の整備工事,そして現在進行中の乾燥場の工事や今後整備が予定されている首長館についてなど,幅広い解説をいただきました。
産業遺産情報センターの見学
世界遺産「明治日本産業革命遺産」の拠点施設である産業遺産情報センター(東京・新宿区)を訪問し,ジェネラルマネジャーの西川三津子氏より解説とご講義をいただきました。 この世界遺産は、日本の近代化を支えた八つの地域に点在する23の構成資産から成る「シリアルプロパティー」として登録されています。パネル展示や映像資料を活用しながら、構成資産がどのように有機的に連携し、日本の産業発展に果たした役割を全体としてどのように示しているか、各資産の歴史や機能を通じて詳細に解説いただきました。 また質疑の対話形式で,世界遺産登録にいたる長年にわたる国内外の専門家や多様なステークホルダーによる取り組みの経緯,センター設立の背景とその目的,そして情報提供にあたるガイドや語り部といった人を介したインタラクティブなインタープリテーションの仕組みについても詳しくお話を伺うことができました。
「遺産」拡張のためのまち歩き
谷根千エリアにおける五感の刺激を記録するまち歩きを研究室のメンバーで実施しました。博士後期課程のタマーシュさんの研究テーマは,日常的で私的あるいは地域で共有される遺産を発見し,それを共有していくことにあります。都内でも歴史的な建物や多様な景観要素がモザイク状に混在する谷根千を歩き,外部者がそこで何を感じるのかマッピングし,そこにある魅力を再認識する試みを行いました。
多賀城創建1300周年整備
今年創建1300周年を迎える多賀城。来月末に完成する南門復元工事も大詰めです。史跡整備の見本市ともいえるこの特別史跡では、建築復元、半立体表示(屋根組まで、柱列まで、基壇のみ)、盛土表示、平面表示、模型表示(復元建物、発掘遺構)、露出展示、AR、VR表示という考えうる全ての整備手法が見られます。地上遺構の復元が不確かな条件で、これらを組み合わせて、最大限の魅力伝達と最高のコストパフォーマンス、そして遺産の真実性の担保を図ってきた取り組みが蓄積されています。 中央政権が蝦夷併合を国衙の示威によって実現しようとした史実を実感します。 あとは南門から政庁への大通りを横断している道路と電線への対策にも期待したいです。
高精細複製の障壁画調査
2024年6月3~4日にかけて博士前期2年岩瀬の修士研究テーマ「歴史的建造物における障壁画の保存活用に関する研究―移設保存時の代替品の使用について―」に関わる調査として京都市内にて調査を行いました。今回は近年障壁画のオリジナルに変わって歴史的建造物に具えられる例が多い高精細複製を扱っている方々にお話を伺うことを目的に調査を行いました。
浅草寺修理工事現場の見学
浅草寺と歴史的建造物保存技術協会によるご厚意で、重要文化財である浅草寺伝法院の客殿・玄関・書院等の保存修理工事の現場見学の機会をいただきました。修理工事は2016年に開始され、2028年までの10年以上にもおよぶ期間で予定されており、計5棟の近世、近代建造物の修理が進められています。
明治村と国宝如庵の見学
国宝三茶室に数えられる如庵と、明治期の建造物を移築展示されている明治村を中川武先生にご案内いただきました。如庵では特に待庵との対比をもって千利休に対して織田有楽斎がこの茶室で試みたこと、また堀口捨巳がここ有楽苑へ移築し複数の茶室や庭園と新たな関係を築いて表現しようとしたこと等について、如庵内の静謐な空間でお話を伺いました。

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