サンボー遺跡都城内の煉瓦調査

早稲田大学地球資源工学科の内田先生とその研究室のメンバー,東京農工大学の片山先生,香港大学のGu先生と2週間ぶりにサンボー・プレイ・クック遺跡群の調査に再訪しました。

 

サンボー・プレイ・クック遺跡群の都城内には約60のサイトが分布しています。その多くには煉瓦造の遺構が残されていますが,それらの煉瓦を分析する調査を実施しました。この分析によって,これらの遺構がグルーピングできるのか,またそれができたなら,グルーピングにはどのような意味があるのか検討することが可能となります。

今回の調査では約30基の煉瓦遺構の分析を行いました。多くの遺構がブッシュに覆われており,各サイトを訪れるために毎回の藪漕ぎをしての調査となりました。

分析結果は帰国してからの楽しみです。

ほとんどの遺構は煉瓦積みは倒壊してマウンドと化しています。また,過去の盗掘を受けて,祠堂の中央には大穴が口を開けているものも少なくありません。

盗掘穴の中には煉瓦やラテライト積みの構造が残されている場合もあります。

各遺構では比較的状態の良い煉瓦を集めて分析を行いました。

XRFによる組成分析では,既往研究によって有意と見做されたいくつかの成分に注目して現場で確認をしていきました。

都城内のサイトを訪れるのは10年ぶり以上のこと。場所が分からず,座標を頼りにGPSでサイトを探しましたが,到達できないことも。。。

あるサイトには近所の子供に案内してもらいました。二人とも11歳とのこと。

遺構の付近で,明らかに環濠に囲まれた境内であってもカシューナッツの植樹が最近されていたりと,地下遺構の破壊が心配されるサイトもあります。。。

遺跡群の管理機構によって周辺地域の建設行為には制限があるはずですが,心配な建物もちらほらと見受けられました。

都城内には集落がありますが,この住民生活と遺跡保護とを両立させるのは一つの課題となっています。