古墳群の世界遺産登録記念シンポジウム

百舌鳥古市古墳群の世界遺産登録を記念して,大阪でシンポジウムが開催されました。

古墳群が世界遺産としてどのような評価を得たのか,また審査の過程でどのような課題がイコモスやユネスコの専門家より示されたのか,そして,それらの解決のためにはどのような取り組みが必要とされるのか,今後の世界遺産としての保存と管理のあり方を検討する場となりました。

様々な課題も示されましたが,大きく2点の重要な検討事項が共有されたように思います。

 

一つは,古墳という地下に埋もれ,また樹木に覆われた土製建造物の価値をどのように伝えていくのか。そのためにどのような整備のあり方が世界遺産として適切で許容されるのか,という課題。

もう一点は,市街地にある世界遺産として今後どのような周辺環境を整えていくのか,という課題。

 

世界遺産の学術委員会や史跡整備委員会などの専門家によって今後協議されていくことでもありますが,周辺住民や来訪者の意見も組みながら多様な方法や考え方を踏まえて検討が進められていくことが期待されるところです。こうしたシンポジウムで世界遺産としての価値や課題を広く共有していくことは大変有効なこととなるでしょう。