コーケー遺跡群への来訪

現在カンボジア政府が世界遺産に申請をしているコーケー遺跡群を訪れました。15年程前にこの遺跡群ではまとまった研究を3年間ほど行い思い出の多いサイトです。

既に世界遺産の推薦プロセスではイコモス専門家による現地調査を終えて、本来であれば今年度の世界遺産委員会で審査される予定でしたが、委員会が延期になっているために、登録の審査が先延ばしになっている状況です。

最近ではカンボジア政府プレアヴィヘア国立機構がこの遺跡群を管轄し、保存・修復・管理を担っています。ここ数年の間に遺構の倒壊危険個所への支保工の設置や発掘調査が進められており、それらの状況を視察することができました。いくつかの寺院遺構では発掘調査によって祠堂内の堆積土が除去され、石彫や台座が発見されていたり、また床面に柱穴が認められたりと、興味深い痕跡が多数確認されました。

また、コーケー遺跡群では盗掘された石造物の返還についても話が進んでおり、近い将来には大きな展開がある見込みです。

 

しかし、久しぶりの来訪となりましたが、中心寺院のピラミッドであるプラサート・トムのボリューム感と頂部からの絶景は圧倒的なインパクトでした。