矢口家住宅の調査

研究室のメンバーで茨城県指定文化財である土浦市の矢口家住宅の調査を行いました。伝統的な町並みを残す中條通りの中央に位置する黒塗りの外観に包まれた土蔵造りの建物群は一際目を引く存在です。

内部も当初の姿を良く残しており、酒店を営んでいた様子が各所に残されています。

 

調査は2回目になりますが、今回は特に蔵に保管されていた保管品の確認と記録を目的としました。矢口家ご当主のご協力をいただき、酒店として利用されていた明治期以降の看板や販売に関わる様々な道具類、矢口家に伝わる江戸時代からの錦絵や屏風絵等を見せていただき、またそれらの由来や当時利用されていた時の様子について教えていただきました。

 

 

こちらは移動式の日本酒加熱器。お花見の時期に出張酒店として活躍したとのことで、注文後にすぐさま熱燗・ぬる燗を提供することができたとのこと。状態もまだまだ良く、今でも利用できそうです。

5つある土蔵のうち、3つの蔵には多数の保管品があり、これらの多くは過去に震災後の修理時に土浦市の行政によって目録が作成されていることが判明したため、それらの記録を確認した上で、その利用等について提案ができたらと考えています。

今回は目録化されていない看板類の記録を行い、室内各所の360度型カメラでの写真撮影や家具類の記録を行いました。

貴重な保管品とそれらを通じた歴史を学ぶ大変重要な機会をいただきました。