先端技術で遺跡を見る:TV番組撮影

テレビ番組の撮影にてカンボジア内のアンコール遺跡、サンボー・プレイ・クック遺跡、クーレン山中の遺跡を回り、各所の専門家からのご案内をいただきました。

先端技術の利用によって考古学的遺産の研究や保存への新しい取り組みを紹介する内容です。特に航空測量調査や地上撮影型のLiDAR、地下探査、GISといった技術の利用について紹介するものです。

アンコール遺跡群では、王都アンコール・トム内の水路網や寺院境内の地割の痕跡、また住居や水田、用途不明のマウンドや文様状の痕跡が新たに発見され、現場での調査解明が進められている様子が取り上げられました。

サンボー・プレイ・クックでは、遺跡群内の集落の景観や土地利用、建設工事などにあたって航空測量による遺構判別や現場利用のGISが活かされている様子を、行政担当者の活動を通じて紹介しました。

また、LIDARによって複数の水管理遺構が検出され、そうした遺構が宗教施設と対をなしている状況等も明らかになりつつあり、そうした調査の様子についても取り上げられました。

9世紀にアンコール王朝が開始された舞台となったクーレン山中のマヘンドラパルヴァータ遺跡では、この地域の研究を長く続けている研究者より、山中に様々な遺構が発見されていることを紹介していただきました。

山中にあって起伏に富み、また見通しのきかないブッシュの中で、現場でもほとんど認識できない遺構の痕跡が地形測量によって確認されたことは驚くべきことであったことが現場で実感されました。

こうした新たな遺構の発見が、この地域のインフラ開発や観光を伴う地域づくりに大いに利用されていることについても詳細な説明をいただきました。

自身の研究を見直し、今後の方向性を考える上でも大変貴重な機会となりました。テレビ放映はまだ少し先になりますがお楽しみに。