サンボー・プレイ・クック遺跡群の環濠と溜池調査

昨年3月の調査に引き続き、都城環濠の一部で発掘調査を行い、また遺跡群内に散在する溜池でのボーリング調査を行いました。7世紀初頭に造営されたと考えられる、東南アジアでも最初期の複合的な宗教施設群が成立した背景となる支持基盤の様相を明らかにすることが大きな目的です。

寺院地区に隣接する都市の築造年代、利用期間、都市内外の土地利用状況を解明するために、都市の外郭をなす環濠と、雨季と乾季に二分される環境において生活や農業において重要な役割を担っていたと考えられる溜池やダム施設を対象として調査を行いました。

発掘調査によって確認された堆積土は、現場で層序の記録を行い、色、帯磁率等を計測した上で、サンプリングして日本に持ち帰り、粒度分布、CNS分析、花粉分析、珪藻分析、昆虫遺体分析等に供されることになります。こうした分析結果を総合的に判断して、当時の環境復元を試みる予定です。