石見銀山での建築遺産演習

2025年7月24日~30日にかけて,世界遺産「石見銀山」にて建築遺産演習を行いました。

伝統的な集落である大森銀山地区と温泉津地区において,伝建地区への選定後に個々の建築の修理や修景事業によって町並みがどのように変化してきたか,そして地域を元気にする活性化のためにどのような取り組みが進められているか学びました。

伝建地区における民家では,伝統的な外観の維持と,内部の大胆な更新の面白さや,地域住民や海外をも含む他地域からの短期受け入れのための学童施設への改修,音楽ホールやレストランへの転用,そして民泊施設への改修など,様々な事例を見学させていただきました。

 

 

また,多様な構成資産が広域に分布する石見銀山の「デジタル版サイトミュージアム」の提案のために,銀生産にかかる坑道や製錬所等の考古学サイト,そして伝統的な町なみの三次元記録や関連情報の収集に取り組みました。

一般の来訪者は龍源寺間歩などの限られたサイトのみを訪れて,山中に展開する銀生産のダイナミックな痕跡に触れることが難しいのが実情です。デジタルミュージアムによって,そうした魅力の一端に触れ,システムとして機能していた鉱山遺跡の全容の理解を補助する仕掛けを提案したいと考えています。

現場で記録したデータをもとに,ウェブサイト版のミュージアムを立ち上げる予定です。

地域で長年にわたり取り組みを続けてきた行政担当者や民間企業,そして伝統的な建物の設計や施工を担ってきた工務店,新たに宿泊や飲食事業を当地で開始した事業者,ボランティアガイドの方々,地域住民など,多くの関係者より各所での取り組みをご案内いただきました。

最終日には世界遺産センターにて参加学生による発表会を実施し,地域の変化の様相や,地域の魅力を伝え,楽しむためのアイデアについて興味深い提案が示されました。1週間という限られた期間でしたが,充実した学びの機会になりました。

 

ご協力いただきました方々に,心より感謝いたします。