2025/08/25
この夏、モンゴルで行われた文化遺産調査ミッションに参加しました。広大な大地に点在する歴史的遺産をめぐり、約2週間にわたる調査と交流の旅を体験しました。
2025/08/05
世界遺産「石見銀山」にて建築遺産演習を行いました。伝統的な集落である大森銀山地区と温泉津地区において,伝建地区への選定後に個々の建築の修理や修景事業によって町並みがどのように変化してきたか,そして地域を元気にする活性化のためにどのような取り組みが進められているか学びました。また,多様な構成資産が広域に分布する石見銀山のデジタル版サイトミュージアムの提案のために,銀生産にかかる考古学サイトや遺構,そして伝統的な町なみの三次元記録や関連情報の収集に取り組みました。行政担当者や当地の民間企業,建物工事の工務店,宿泊や飲食事業を開始した事業者,そして地域住民など,多くの方々から各所での取り組みをご案内いただきました。最終日には世界遺産センターにて参加学生による発表会を実施し,地域の変化の様相や,地域の魅力を伝え,楽しむためのアイデアについて興味深い提案が示されました。1週間という限られた期間でしたが,充実した学びの機会になりました。
2025/07/10
千葉県立「房総のむら」にて修理工事の見学と民家の実測調査を行いました。修理工事は茅葺屋根の葺き替え作業真っただ中で,茅葺職人の方々による作業の様子を中心に,構造補強や腐朽部材の対処なども含めて解説していただきました。民家調査は一部に2階もある豪農の大規模民家の復元建物で,実測初体験の学生には大変な作業となりましたが,なんとかカタチになったと思います。千葉県文化財課の方々には大変お世話になりました。
2025/05/24
世界遺産学学位プログラムの修士1年生を中心とした学生と共に,碓氷製糸場と富岡製糸場を見学に行きました。碓氷製糸場は現役で稼働している工場であり,ここでは繭の乾燥から製糸までの様々な工程を見学させていただくとともに,現在の繭生産や工場経営の実情について様々な解説をいただきました。富岡製糸場では,通常は公開されていないエリアを含む各所を視察させていただき,また官営時代から民間払い下げ以降の長期にわたる経営やそれに伴う施設や技術の更新の歴史,近年実施された西繭倉庫の整備工事,そして現在進行中の乾燥場の工事や今後整備が予定されている首長館についてなど,幅広い解説をいただきました。
2025/05/17
世界遺産「明治日本産業革命遺産」の拠点施設である産業遺産情報センター(東京・新宿区)を訪問し,ジェネラルマネジャーの西川三津子氏より解説とご講義をいただきました。
この世界遺産は、日本の近代化を支えた八つの地域に点在する23の構成資産から成る「シリアルプロパティー」として登録されています。パネル展示や映像資料を活用しながら、構成資産がどのように有機的に連携し、日本の産業発展に果たした役割を全体としてどのように示しているか、各資産の歴史や機能を通じて詳細に解説いただきました。
また質疑の対話形式で,世界遺産登録にいたる長年にわたる国内外の専門家や多様なステークホルダーによる取り組みの経緯,センター設立の背景とその目的,そして情報提供にあたるガイドや語り部といった人を介したインタラクティブなインタープリテーションの仕組みについても詳しくお話を伺うことができました。
2025/05/03
谷根千エリアにおける五感の刺激を記録するまち歩きを研究室のメンバーで実施しました。博士後期課程のタマーシュさんの研究テーマは,日常的で私的あるいは地域で共有される遺産を発見し,それを共有していくことにあります。都内でも歴史的な建物や多様な景観要素がモザイク状に混在する谷根千を歩き,外部者がそこで何を感じるのかマッピングし,そこにある魅力を再認識する試みを行いました。
2025/04/05
都城アンコール・トムに引き続き、バンテアイ・チュマール遺跡群での調査を行いました。この遺跡は12世紀後半にアンコール王朝の地方拠点として築造されたもので、アンコール・トムとはTwin City(双子の都市)と位置づけられる遺跡です。今回は、1)遺跡群内に8基配置される衛星寺院の一つPr. Ta Naem寺院での考古学調査、2)巨大貯水池バライと中央寺院環濠におけるボーリング調査、3)中央寺院と二基の衛星寺院の三次元形状記録、に取り組みました。
2025/04/01
アンコール遺跡群の中央に位置する12世紀後半に築造された都城アンコール・トム内での調査を行いました。奈良文化財研究所が長年にわたって研究と修理工事を進めている西トップとその近傍にて、寺院とその周辺の水路やマウンドとの関係解明を目的とした考古学・建築学調査です。
2025/02/13
「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産推薦書が2025年1月末に日本政府よりユネスコ世界遺産センターに提出されました。来年2026年夏の世界遺産委員会にむけて、今後は諮問機関からの審査が進められます。
こうした中、世界遺産登録推進イベント「いざ世界へ! 飛鳥・藤原の宮都」が開催されました。「飛鳥・藤原を世界遺産へ~登録の先に描く地域の未来~」と題する講演の機会をいただきました。
2025/02/07
2025年2月4日、筑波大学東京キャンパスにて、日本政府外務省と筑波大学の共催による講演会「文化遺産の意図的破壊と国際社会の対応」が開催されました。本講演会には、学生、文化遺産の専門家、ICOMOS日本の会員などオンライン参加者を含む80名以上が聴講しました。
講演者には、文化遺産保護の分野で長年国際的に活躍されているムニール・ブシュナキ氏を迎え、過去半世紀にわたる文化遺産の意図的破壊に対する国際社会の対応について貴重な知見を共有していただきました。